
壁・天井・床・窓。家を包むすべての面の断熱を高め、熱の出入りを最小限にする——エコハウスのすべては、ここから始まります。
前回の第1回では、エコハウスの土台となる「高気密(気流止め)」について解説しました。隙間風や壁の中の空気の動きをシャットアウトした上で、初めて効果を発揮するのが第2の要素「高断熱」です。断熱材と聞くと「とにかく値段が高くて、最新の高性能な素材を使えばいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし当社では、高価な断熱材を薄く使うよりも「リーズナブルなグラスウールを、とにかく分厚く(たっぷり)施工する工法」を強く推奨しています。今回は、私たちがなぜ「分厚いグラスウール」にこだわるのか、その3つの理由を解説します。
現在、住宅用の断熱材には、発泡プラスチック系(ウレタンフォームやフェノールフォームなど)の高性能断熱材から、ガラス繊維でできた無機質繊維系のグラスウールまで、様々な種類があります。
カタログ上の「断熱性能(熱伝導率)」だけを見れば、発泡プラスチック系の最新素材は非常に優れています。しかし、最大のネックはその価格です。例えば発泡プラスチック系の高性能断熱材は、同じ面積を施工しようとした場合、高性能グラスウール(16kg/㎥)の約4倍〜4.7倍もの材料費がかかることがあります。
断熱の基本は、セーターと同じです。カシミヤの薄い高級セーターを1枚着るよりも、リーズナブルなセーターの上に厚手のダウンジャケットを着込んだ方が、圧倒的に暖かく過ごせます。
高価な素材を薄く使う予算があるなら、コストパフォーマンスに優れたグラスウールを通常の2倍、3倍の厚みで施工する方が、家全体の断熱性能は高くなり、結果として毎月の冷暖房費(光熱費)を劇的に安く抑えることができるのです。
従来の一般的な木造住宅では、柱と柱の間に断熱材を詰める「充填断熱(内断熱)」が行われてきました。しかし、この方法には弱点があります。断熱材が入っていない「木材(柱など)」の部分から熱が外に逃げてしまうのです。このように熱の逃げ道となる部分を「熱橋(ヒートブリッジ)」と呼びます。
当社が推奨する工法では、柱の間にグラスウールを隙間なく詰めるだけでなく、家の外側(柱の外側)にもさらに分厚いグラスウールを張り巡らせる「付加断熱(ダブル断熱)」を採用しています。
これにより、柱からの熱の逃げ(熱橋)を完全にシャットアウトし、家全体を分厚い布団ですっぽりと包み込むことができます。リーズナブルなグラスウールだからこそ、コストを跳ね上げることなく、壁の厚さがトータルで150mm〜200mm以上にもなる「超・高断熱仕様」を実現できるのです。
もう一つ、グラスウールを推奨する重要な理由が「安全性」です。グラスウールはガラスを溶かして繊維状にした無機材料であるため、火災に強く、燃えにくい(不燃材料)という優れた特徴を持っています。万が一の火災時にも、一部の化学系断熱材のように有毒ガスを発生させる危険性がありません。
また「グラスウールは壁の中で結露してカビるのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。しかし、前回のコラムで解説した通り、確実な「気流止め」と「防湿・気密シート」の施工、そして壁の中の湿気を逃がす「通気層」を正しく設けることで、内部結露の問題は完全に解決されています。
高断熱住宅づくりで最も大切なのは、高価な素材を使うことではなく、「熱の逃げ道をなくし、十分な厚みを持たせて家を包み込むこと」です。
当社は、コストパフォーマンスに優れ、火災にも強いグラスウールを「これでもか」というほど分厚く丁寧に施工することで、お客様に「予算を抑えつつ、一年中エアコン1台で快適に過ごせる本物のエコハウス」をご提供します。
柱の間だけでなく、壁の外側にもう一層。断熱材を重ねて熱の逃げ道をふさぎます。
熱の出入りがもっとも大きい窓を、樹脂サッシ+トリプルガラスで強化します。
室温だけでなく壁・窓の表面温度を上げ、輻射の冷たさをなくします。