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LEVEL 4 / 5 · HEAT RECOVERY VENTILATION

熱交換換気

24時間換気は欠かせません。でも、暖めた空気をそのまま捨てるのはもったいない。排気から熱を回収し、新鮮な外気に移して採り入れます。

01 / ARTICLE解説

前回の第3回では、冬の太陽の熱を味方につけ、夏の暑さを窓の外で防ぐ「日射コントロール」について解説しました。今回は、快適で健康的なエコハウスに欠かせない第4の要素「熱交換換気(ねつこうかんかんき)」について解説します。高気密・高断熱で家をすっぽり包み込んだエコハウスでは、計画的な「換気」が絶対に必要です。しかし、そこには大きなジレンマが隠されています。それを解決するのが熱交換換気システムなのです。

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換気のジレンマ:「新鮮な空気」を入れると「熱」が逃げる

現在の住宅では、24時間換気を行うことが義務付けられています。これは、私たちが健康に生きるために必要な新鮮な外気を確保し、室内の汚れた空気や湿気、ニオイなどを外に排出するためです。

しかし、冬の厳しい寒さの中、換気扇を回し続けるとどうなるでしょうか? せっかく高断熱の家で暖めた空気を外に捨て、代わりに氷点下に近い冷たい外気をそのまま室内に引き込んでしまうことになります。実は、住宅において「換気」による熱のロス(熱損失)は、窓などの開口部や外壁に次いで非常に大きいのです。

「新鮮な空気は欲しいけれど、冷たい風が入ってきて家が寒くなるのは嫌だ。おまけに暖房費もかかってしまう…」。これが、これまでの住宅が抱えていた換気のジレンマです。

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熱を捨てずに空気を入れ替える「熱交換換気」とは?

このジレンマを見事に解決する画期的な仕組みが「熱交換換気」です。室内の「汚れてはいるけれど暖かい空気」を外に排出する際に、その空気が持っている「熱(温度)」だけを回収し、外から入ってくる「新鮮だけれど冷たい空気」に移し替えてから室内に取り込むシステムのことです。

室温20℃・外気0℃なら、給気は約14〜16℃に

室温が20℃、外気温が0℃の冬の日を想像してみてください。熱回収率が70〜80%の熱交換換気システムを採用した場合、外の0℃の冷たい空気は、排気される20℃の空気から熱をもらい、室内に吹き出す前に約14℃〜16℃にまで暖められます。

これにより、冷たい風が直接部屋に入ってくる不快感(コールドドラフト)がなくなり、室内の上下の温度差も少なくなるため、圧倒的な快適性を実現できます。

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熱交換換気がもたらす3つのメリット

①

劇的な省エネ効果(暖冷房費の削減)

暖めた(あるいは冷やした)空気をそのまま捨てないため、暖冷房のエネルギーロスを大幅に削減できます。高い気密性を確保した家で熱交換換気を使用すると、寒冷地では約30%、温暖地でも約20%もの暖房エネルギーを削減できると言われています。

②

夏も冬も快適な室温をキープ

冬は冷たい外気を暖めて取り込みますが、夏は逆に、外の蒸し暑い空気を、冷房で涼しくなった室内の排気を使って「冷やしてから」取り込みます。一年を通して、外気温の影響を受けにくい快適な室内環境を保つことができます。

③

「全熱交換型」なら冬の過乾燥も防ぐ

冬の室内が乾燥しやすいのは、外の冷たくて乾燥した空気をそのまま室内に取り込んで暖めることが大きな原因です。熱交換換気の中には、温度(熱)だけでなく「水蒸気(湿気)」も回収して室内に戻す「全熱交換型」というタイプがあります。これを採用することで、冬の室内の極端な過乾燥を和らげ、快適な環境を保ちやすくなります。

注意点:快適さを保つための「フィルター掃除」

熱交換換気システムは、24時間365日休まず働き続ける家の「肺」のような存在です。そのため、外のホコリや虫、花粉などを防ぐフィルターの定期的なお掃除(メンテナンス)が必須事項となります。

フィルターが目詰まりしてしまうと、せっかくのシステムが機能しなくなり、換気不足に陥る危険性があります。

まとめ:高気密・高断熱とセットで真価を発揮する

熱交換換気は、これまでの連載で解説した「高気密」によって家の隙間風をなくし、「高断熱」によって家の保温性を高めているからこそ、しっかりと計画通りに機能します。いくら高性能な換気システムを入れても、家に隙間が多ければそこから冷気が入ってきてしまうため、本来の熱回収の効果は得られません。

熱交換換気は、新鮮な空気と暖かさを両立する、まさにエコハウスの心臓部なのです。

02 / PRACTICE家工房の実践

高い熱回収率

排気の熱の80〜90%を回収し、換気による熱損失を大幅に減らします。

給気の快適さ

冷たい外気が直接入らないため、冬の換気でも寒さを感じません。

空気の清浄

給気フィルターが花粉・粉塵をカット。計画換気で家全体の空気が入れ替わります。

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